
みなさんにとっての「居場所」とはどこですか?
現代において、「居場所作り」は過去類をみないほどにブームとなっており、「コミュニティスペース」の名で広がりを見せています。
しかしながら、これだけの「居場所」として整備された場があるのにも関わらず、「居場所」がなかったことで起こる社会問題は絶えないどころか、増えているようにさえ見られます。
それは、世の中に新しく登場した「居場所」の多くで自分たちにとって都合の良い空間を維持するために広く他者を受け入れず、固定化してしまったメンバーで自分たちのいたコミュニティにも存在した「内輪」を作り出してしまっているからです。
また、「居場所を作りたい」と立ち上げた人が、その居場所の定義をわからないままに居場所作りを進めてしまうことで、なんでも受け入れてしまって病んでしまったり、居場所をつくったのはいいけれども、コミュニティとして何も価値を発揮できなかった悲劇も耳にします。
最悪なのが、自分たちの居場所を維持するために、その居場所から離れようとする人たちを脅迫して踏みとどまらせようとしたり、キラキラとした居場所をうたって困っている人からお金を巻き上げようとするなんて話も聞きます。
今いるこの場所に疑問や生きづらさを感じた人にとって、「居場所」ができることは確かに希望の光となります。
しかし、実態は自分に叶う「居場所」がどこにも見つからず、結局路頭に迷ってしまうのが現状です。
特にコミュニティビジネスが注目されている現代においては、「居場所」だったはずのものが、居場所のない人たちからあらゆる資源を搾取する悪魔の場所に変貌を遂げつつあります。
平成の時代、1995年と2011年の二度の大震災以降、コミュニティが一気に注目を浴びることになりました。
その一方で、地下鉄サリン事件やオンラインサロンにおける数々の事件、地域コミュニティの消失に、ブラック企業の問題など、コミュニティにおける多くの危機を経験したのも平成でした。
むしろ、60年代の学生運動などのことを考えると、コミュニティそのものはまだまだ「昭和」から抜け切れていないのかもしれません。
私たち日本スモールコミュニティ協会(SCA)は新しき令和の時代へとコミュニティをアップデートさせていきます。